新型コロナ感染症(COVID-19)対策・予防について

ライフスタイル

新型コロナウイルスが猛威を振るっておりたくさんの感染者が出ており
大変な思いをされている方もたくさんいます。
少しでも早く収束されることを願っています。
そこで、新型コロナウイルスの感染を少しでも減らせられたらと思い
実際にコロナウイルスの患者さんを受け入れられている
病棟の看護師さんに話を伺い感染予防や対策についてまとめてみました。
少しでもみなさんの参考になれば嬉しいです。

新型コロナウイルス感染症について

みなさんもご存知のことが多いとは思いますが、これまでの経緯とウイルスについて説明します。

2019年12月、中国湖北省武漢市において確認
2020年1月16日、日本国内で初めて患者が報告される
2020年2月1日、指定感染症に指定される

病原体動物由来のコロナウイルスだが宿主は不明
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
SARS-CoV-2による感染症をCOVID-19と呼ぶ
感染経路飛沫感染・接触感染
潜伏期間1〜14日間(曝露から5日程度で発症が多い)
無症状感染数%〜60% 無症状でも感染力ありと示唆
感染力1人から2〜3.5人(再生産数2.5程度)
ウイルス排泄約10日間(発症日に感染力が最も強い)
上気道と下気道で増殖、重症例ではウイルス量が多く、排泄期間も長い傾向にある。
病原体遺伝子が検出されることと感染性があることは同義ではない。
感染可能期間発症2日前から発症後7〜10日程度
季節性不明

感染者数については、厚生労働省のホームページをご覧ください。

厚生労働省 新型コロナウイルス感染症について

日本のCOVID-19入院患者レジストリにおける60歳以上の致死率

・60歳以上の基礎疾患のない患者の致死率は3.9%
・60歳以上の基礎疾患のある患者の致死率は12.8%
【参考】 国立国際医療研究センター。COVID-19レジストリ研究会解析結果

やはり、基礎疾患がある方の致死率が高くなっているようです。

新型コロナウイルス感染症の経過

期間症状確率経過
発症〜1週間程度かぜ症状・嗅覚味覚障害80%軽症のまま治癒
1週間〜10日呼吸困難、せき・痰20%肺炎症状が憎悪し入院
10日〜人工呼吸管理など5%集中治療室へ 2-3%で致命的

期間が長引くほど、重症化する傾向が高いようです。

新型コロナウイルス感染症の症状やリスク因子

症状

発熱、呼吸器症状(咳嗽・咽頭痛・鼻汁・鼻閉)、頭痛、全身倦怠感、嗅覚異常、味覚障害など
重症化する事例では、発症から1週間前後で肺炎の症状(咳・痰・呼吸困難など)が強くなる

重症化のリスク因子

・65歳以上の高齢者
・悪性腫瘍
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・慢性腎臓病
・2型糖尿病
・高血圧
・肥満(BMI30以上)
・喫煙
・脂質異常症
・固形臓器移植後の免疫不全

要注意な基礎疾患(現時点で評価中)

・ステロイドや生物学的製剤の使用
・HIV感染症
・妊婦

新型コロナウイルス感染症の合併症

呼吸不全 :急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
心血管系:急性期の不整脈、急性心障害、ショック   
血栓塞栓症:肺塞栓症、急性期脳卒中の血栓塞栓性(ヘパリン等による血栓予防)
炎症性合併症:ギラン・バレー症候群、川崎病類似
二次性細菌・真菌感染性

後遺症

発症から60日経過後

嗅覚障害 19.4%
呼吸困難 17.5%
倦怠感 15.9%
咳嗽 7.9%
味覚障害 4.8%
脱毛 24%

発症から120日経過後

嗅覚障害 9.7%
呼吸困難 11.1%
倦怠感 9.5%
咳嗽 6.3%
味覚障害 1.7%
脱毛 24%

日本における電話調査(回復者63人)新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 第4.1版

新型コロナウイルス感染症 検査の主な違いと特徴

PCR

意義:現在の感染を調べる
検体:鼻咽頭拭い液、喀痰、唾液
検査対象と精度:ウイルスを特徴ズづける遺伝子配列を増幅して検出 感度は高い
所要時間:数時間

抗原定性

意義:現在の感染を調べる
検体:鼻咽頭拭い液
検査対象と精度:ウイルス特有のタンパク質(抗原)を使い検出 検出には一定以上のウイルス量が必要
所要時間:約40分

抗原定量

意義:現在の感染を調べる
検体:鼻咽頭拭い液、唾液
検査対象と精度:ウイルス特有のタンパク質(抗原)を使い検出 抗原の定量測定が可能
所要時間:約30分 特殊な機器が必要

抗体検査

意義:過去の感染を調べる
検体:血液
検査対象と精度:感染後、体内にできるタンパク質(抗体)を検出 1〜3週間経ってから陽性化 抗体保有状況の把握などに有効
所要時間:約30分

新型コロナウイルス感染症の治療

確実に有効で死亡率や予後を改善する効果を証明した抗ウイルス薬はまだないので、
対象療法と支持療法となる。
重症呼吸不全や多臓器障害に対しては集中治療管理が行われ、気管挿管と人工呼吸器管理が標準となる。
人工呼吸器で酸素化が保てない重症呼吸不全ではECMO(体外式膜型人工肺)の適応

2020年12月23日集計「日本COVID-19対策ECMOnet」
人工呼吸器治療(ECMO除く)2030例、軽快1306例、死亡357例ECMO治療患者372例、離脱216例、死亡97例
(新型コロナウイルス感染症の手引き第4.1版)

新型コロナウイルス感染症に対する候補薬剤

レムデシビル

レムデシビルは症状を短縮させる効果が臨床研究で 示されたため、5月7日に国内で緊急承認され、現在重症例に限定し投与されている。世界50か国で採用されている。
しかし、WHOが主導した臨床試験の中間報告では、レムデシビルを投与しても、患者の入院期間や死亡率にほとんど影響がなかったと、11月20日、WHOはレムデシビルの使用を推奨しないとのガイドラインを公表した。

デキサメタゾン

デキサメタゾンは厚労省の診療の手引きに標準的な治療法として掲載されている。イギリスの臨床研究では、人工呼吸器を装着した患者と酸素投与が必要な患者で死亡率を有意に低下させている。酸素投与の必要ない患者では効果なし。

トリシズマブ

 大阪大学と中外製薬が共同開発しており治験中である。IL-6阻害剤で対象疾患は、関節リウマチ。

ファビピラビル

ファビピラビルは新型インフルエンザ用に国が備蓄している。しかし、動物実験で催奇形性が確認されているため、妊婦や妊娠している可能性がある人には使用できない。国の承認待ち。

ワクチン接種

日本では
1.新型コロナウイルス感染症患者等に頻繁に接する医療従事者等
2.高齢者
3.基礎疾患を有する方や高齢者施設等において利用者に直接接する職員 の順で接種をしていく方針
その後、一般の方に接種が行われます。
妊婦を優先するかどうかや、子どもが接種の対象となるかどうかなどは、安全性や有効性の情報などをみながら検討されます。

詳しくは、厚生労働省サイトをご確認ください。

厚生労働省 新型コロナウイルスのワクチン接種について

新型コロナウイルスの感染対策について

感染経路

飛沫感染・接触感染があります。

飛沫感染は、マスクや換気などを行い注意を行っている方は多いですが、

特に注意すべきなのは、接触感染です。

接触感染では、触った手からウイルスが侵入するのではなく、触った手で鼻や口を触ることで感染が成立する

しっかり手洗い・消毒を行い、目・鼻・口を触ることを意識して避けることが大切です。

新型コロナウイルスの物資残存期間

エアロゾル:3時間
銅(10円玉など):4時間
段ボール:24時間
ステンレス類:48時間
プラスチック:72時間

プラスチックにおいては3日間ほど残存するようなので、配送物など3日間おいてから触るほうが安全と言えるでしょう。

感染対策

感染防止の3つの基本である
・身体的距離の確保
・マスクの着用
・手洗い
をはじめとした感染予防対策は、日常生活に浸透してきています。
「3密を避ける」行動は、これまでの患者との日常的に交わす会話や日常生活の援助、家族への対応など実践のあり方を考える機会となりました。

手指衛生や環境整備を適切に実施するしかないです。
新型コロナウイルス感染症には、アルコール消毒、次亜塩素酸ナトリウム効果があります。

感染対策の基本は「持ち込まない」「持ち出さない」「広げない」

3密を避ける具体的な方法(職場)

 ・出勤方法の工夫(時差出勤やマスク着用)
 ・会議、研修の工夫(適切な距離の確保、短縮、人数制限、Webツールの利用)
 ・更衣室での工夫(利用できる人数制限やマスク着用)
 ・ランチタイムでの工夫(テーブル清掃、食前の手指衛生、食事場所を増やす、時間をずらす、
  対面に座らない、換気)
 ・推奨される換気の実践(30分に1回以上、数分間、窓全開)
 ・喫煙者への指導(基本禁煙、喫煙所の撤廃)

クラスターが発生しないように、曝露リスクを下げる行動を!

まとめ

中国で新型コロナウイルス患者が確認されてから約1年となり、様々なデータや文献が発表されています。感染症対策に関する情報は常に更新されているため、正しい情報を積極的に収集することが大切です。正しい情報を取得し正しい方法で新型コロナウイルスに対処していきましょう。
一日でも早くありふれた日常がかえってくることを願っています。

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